実は帰阪はいいとして実際に大阪入りしたのは22日の午前4時~。このまま家に帰ってもその日の仕事までに起きれる自信がなかったので、職場近くの駐車場に車を止めて仮眠をとることにしたのですよ。そしてそのまま仕事に……。(異様に眠かった)
今回の日食紀行の目的は、そのものズバリ、日食(正確には部分日食)の撮影にあったのですが、私が目的地に選んだのは以下の場所です。
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山口県の上関です。理由は簡単で、一週間前からの天気予報で、本州ではほとんど絶望的と思われた天候にあって、直前の21日になって唯一晴れマークが付き、しかも午前午後の降水確率がともに0パーセントであったのがこの地域だったからです。
その中で、最南端を目指しました。
途中、寄り道はあったものの、道程(山陽道)では大雨に見舞われたり、深い霧でほとんど前が見えなかったり……(これは本当に怖かった)。
まだ広島県であった大竹インターで一般道に降り、海岸線沿いに南下した私にとって幸運と思われたのは、後で知ったことですが、山口県の中央部以北ではひどい暴雨で各地に被害が出ていたそうです。(お土産用に買った新聞で知った)
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んで、気になる現地の天気の模様です。朝焼けがまずまず、この時点ではかなり期待できそうです。
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しかし、さらに南下を続けるうちに怪しい空模様に。
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とはいうものの、さして不安にはならなかったのは、空の明るさと、雲(正確には山にかかっているガス=霧)の具合から、雨を降らせるような分厚い雲ではないことが予想できていたからでしょうか。こういう天気は回復するであろうことは、田舎育ち(?)の私にも読めていました。
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その時にはまだ昨夜の暴雨の被害について知らなかったわけですが、道路のあちこちで惨状の跡が見られました。
「高波でもあったのかなぁ、えらいことになってる」とは思いましたが……。
長島に渡って、それこそ山道ともなれば、倒れ落ちた樹木で道半分が遮られていたり……、不安がよぎったのは確かです。
まぁ、道は狭くくねっており、運転する分には楽しかったり。(対向車もほとんどありませんしね。その実、眠気覚ましにちょうどよかった)
実はひたすら南へ南へと進んだのはいいが、路が途切れた最後はいわゆる漁師町(四代)で、具合の悪いことに方角が悪くて日食が隠れてしまうことから、若干道を戻って撮影ポイントを探しました。
当然、狭い道に車を止めることは論外だったことでもあるし、山手の小高い場所に車が止めれそうだと上がった場所でえらいことになったのは(4)でもお伝えしたとおり。ぬかるみにハマって車が動かなくなってしまいました。
「やばい!」と思ってあれこれしているうちに、時間が過ぎ、ふと空を見上げると、薄雲越しではあるものの、太陽が欠けていることが肉眼でもわかりました。
「いいや、後回しで」
と急きょ撮影開始です。
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10時24分
本当は、もっと早くに準備し、カメラの設定や、なんとか手に入れた減光フィルターの枚数調整など、いろいろ試してから行うつもりでしたが、そんなことは言ってられません。やりながらの調整です。
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10時42分
カメラの解像度の変更もこの時にしましたので、本当に適当です。天気は快晴というには程遠いものでしたが、薄い雲を通しても、かなりくっきり欠けていることがわかります。
もちろん、失敗も多く、おおボケした写真もいっぱいあります。
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10時54分
だいぶん欠けてきました。
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10時58分
このあたりが部分日食のピークかな?
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11時12分
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11時24分
後半です。
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11時38分
終了間近。なのはいいのですが、この頃になって実際には天気は回復傾向にあり、雲もより薄く、切れ間も多くなってきたわけですが、その分光量も増したことでカメラの方がエラーを返すようになってきました。(「レンズエラー」)
どうやら、入ってくる光が強すぎるために撮影不可ということらしいです。
むむむ、もともとそういったことにならないために苦労(焦って)して手に入れた減光フィルター(NDフィルター)だったはずなのですが、困ったものです。
今回用意した(できた)のがND8が6枚とND4が1枚。全部合わせると8の6乗×4で1048576分の1まで減光するというものです。
これでも足りなかったのか?
結果から言うと、完璧な快晴であったなら、もっと撮影条件は厳しくなっていたことが予想されます。
薄曇りでかえって良かったのかも知れません。(ちゃんと準備してカメラの設定を変えることができていれば問題なかったのかも知れないけど)
後日談
さて、そんなこんなで苦労(気楽なハズがいろいろあったり……)しながらの平日の暴挙だったわけですが、後から知ったところでは、大阪でもちゃんと日食が見れたらしい。(あの天気予報はなんだったんだ?)
そうなってくると、無理して山口まで往復(メーターから900キロぐらい走ってた)する必要があったのか? と聞かれると「無かったかも知れない」ということになるのですが、私自身はけっこう満足しています。
あの天気予報があった中で、今の自分で可能な限りいい条件を探し、実際に行動に移せたことが嬉しいのですよ。
誰のためでもなく、たまには「自分のために」頑張ってみようと思える自分がまだ残っていたんだと。
また、機会があればやってみたいですね。さすがに今回手に入れた減光フィルター7枚はもう二度と使う機会は無さそうですが。(いくらしたと思ってるんだ? 苦笑)
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